再訪:ドルフィン(海を見ていた午後)
実に40数年ぶりの再訪!
息子の結婚式のあと、立ち寄ってみた。
ついにっ!
年齢がバレちゃうけど、20歳のときミーハー彼女に連れられて以来のこと。
記憶に靄がかかってしまうほど遠い過去のことだとは言え、
あの甘い時間を過ごしたレストランのイメージとは重ならなかった。
噂には聞いてたけど、レストランに上がる階段の壁を見てはっきりとわかった。
「定礎 1998年設立」
建て替えられたのは、デートの日から23年後。
なんか、すごくかしこまったお店になったなぁというのが率直な感想。
ユーミンの歌で有名になり、改装してより歌詞のイメージを大事にしようとされた意図はわかる。
改装するときに、ユーミンの歌で有名になったレストランだから、
歌詞のイメージを壊さないようにって配慮されたんだろう。
わかるけど・・・ってとこかな。
さて、待ちに待ったドルフィンの扉を開く。
店の中を覗くが人の気配がない。静かだ。
店に着いたのは午後4時頃。
当たり前か。こんな中途半端な時間に客がいるわけないか。
そう思いつつガラスの扉を開けると、2階から店員さんが降りてきて出迎えてくれた。
フレンチレストランのような白いシャツに黒いエプロンをした可愛らしい女性だった。
2階に上がってみるとお客が3組、海を臨む席に座っていた。
自分と同世代ぐらいのカップル、ワイワイ楽しそうに話し込んでいる同世代ぐらいの男女の4人グループ、そして20代の子連れの若夫婦。
やっぱり、という思いと、意外!っていう思いが交錯した。
同世代のカップルとグループは、いかにもユーミンファンっていう感じ。
カップルはケーキセットを楽しみつつ、きっと自分と同じ若かりし頃の思い出を語っているのだろう。
同世代のグループの女性は皆、青いソーダ水を飲んで盛り上がっていた。
やっぱりユーミンの力はすごい。
一方、若夫婦はなぜこんな町外れの今風でないレストランにわざわざ入ったのだろうかと不思議に思う。
今もユーミンの人気は絶大で、若かりし頃の思い出に浸りたい自分たちのようなオジサンだけでなく、若いファンも有名な「海を見ていた午後」の舞台を見に来るのだろうと考えれば腑に落ちる。
やっぱりユーミンはすごい。
ユーミンの恩恵を受けているレストランは他にないだろう。
いずれにしてもこれからもず~と存続していてほしい。
ところで発見が一つ。
お店までの抜け道が有った!
前に来たときは、長い坂を時より車が通り抜けていく傍らをただただ登った記憶。
今回も「これこれ、この坂だった」と懐かしんでみたが、これってしんどいよね年寄りには・・・。
そんな中、店の近くまで来たときになにげに看板が目に入った。
(かなり古い代物だから40年前にもあったのかもネ?)
帰りはここだな(笑)
実際に帰り道は階段を降りて駅に向かったが、ん?行きはこの階段を登ってお店へ?
どっちもどっちだなぁ~。
次回は駅からタクシー利用だな、と決めた瞬間でした。(笑)
以前とは違った風景ではあるけど、ユーミンがこの店でこの歌を書いたとしても
その雰囲気を実感できたのはとても嬉しかった。
しばし、その頃の自分に思いを馳せて感慨に浸ってみていた…。
もちろん、窓の外に見える「貨物船」をながめながら。
残念ながら、注文したのはソーダ水ではなくジンジャエールだし、歌詞のようにはちょっとネ…。
今度はいつ訪問出来るんだろう。
近くに来たらぜひ立ち寄って、過ぎてしまった苦くも淡く懐かしい思い出を呼び起こして、またゆったりと「海を見ている午後」を満喫したい。
そんな思いで店をあとにした。